■プテラニア(記憶の物語の方)
旧有翅人「メガネウラ」と、新有翅人「プテラニアン」の話。
その昔、人類(メガネウラ?)は地上(エピタフと呼ばれる)にて繁栄していたが、
「災厄の竜」と呼ばれる存在の出現により地上は壊滅、天上世界ストラトに移住した。
その後の人類を支えたのは旧人類の保持していた技術「アルス・アノックス」とよばれるもので、
五始人と呼ばれる者たちによってその一部が伝えられ、人類は滅亡を免れた。
災厄の竜とは何か? 五始人とは何者なのか?
メガネウラは何故滅び、そして何故今になって災厄の竜が復活せんとしているのか?
「肉食のカルス」を持つ主人公だけが、その真実に触れることを許された。
■プテラニア(戦いの物語の方)
アノックス。ストラトの首都の名前であり、
ストラトを支える技術(この場合アルス・アノックス)の名称である。
「夜をなくすもの」という意味(もち、造語)のこの技術はかって地上で栄え、
人類は光より、無尽蔵の物質とエネルギーを作り出すことができた。
しかしある時「災厄の竜」とよばれる存在が飛来し、地上に「炎の災厄」をもたらす。
これにより地上文明の大部分は灰塵と帰し、人類は壊滅的な打撃を受けた。
反撃に出た人類の手によって「災厄の竜」は地上に撃ち落されたが、
その死骸は呪いとなって太陽の光を遮り、「氷の災厄」をもたらした。
光を失った人類のうち翼有るものは天に上り、光の力を再び手中に収めた。
翼無きものは地中に潜り、闇の世界で生きる術を身に付けた。
二つに別れた人類は災厄によって分断され、互いに交わる事の無いままとなった。
互いの存在を忘れてから、どれほどの時が立っただろうか。
歳月の果てに「災厄の竜」の力は徐々に薄れ、地上は再び光を取り戻そうとしていた。
天上の民と地底の民、それぞれの思惑で地上を求め、
かっての同胞は、決して分かりあえぬ隣人として相対する事となるのだった。
〜プテラニアの基本〜
・主人公はヤーン・バリィ 孤児とか。
・ヒロインはモルフォ・リトルソニア お姫様。
・"災厄の竜"によって天上世界「ストラト」と地上世界「エピタフ」に別れている。
・ストラトの姫ソニアと、エピタフの最後の一人ヤーンの出会いと別れの物語。
〜くれいどる・ばーじょん〜
・エピタフにも人類が生存しており、ストラトの民に敵対感情を抱いている。
・ソニアと対を成すヒロイン、サファイアの存在。
・二つの種族のハザマで最も重い運命を背負う少年、ヤーン。
・ストラトの姫として圧倒的なカリスマを兼ね備える少女、ソニア。
・のーまるバージョンとの関連性はまだ決めてない。パラレルかもだし、歴史の一部かも。
■ヤーン・バリィ:滅んだメガネウラの最後の一人。肉食のカルスを持ち、羽化するためには他者を喰らわなければならない。
■カルス:ナノマシンみたいなもの。光を触媒にして物質を変容させる。プテラニアンはこのカルスを体内に備えているため、環境適応能力が高かったりする。自在に操れる外骨格と思ってくださればよろし。そしてもう一つの特徴は、カルスは記憶を保存するのです。これ超重要設定。らしい。
■メガネウラ:でっかいトンボのこと。プテラニアでは滅んだ有翅人のこと。でっかすぎる翅っていうのは、いきづまったりするのです。自然に滅びたのか、それともその翅(=カルスの性能)ゆえに滅んだのか分からない。ただ分かっていることは、彼らはストラトでいきていくことはできないってこと。でかすぎる翅はあの環境には不要なのです。あと、彼らはただ滅びるのを良しとせず、ヤーンにとんでもない重責を負わせたってことかな。その重責はバージョンによって違うかな。そのカルス(=認証キー)によって狙われるきっかけになっただけかもしれないし、そもそも最初っからストラト滅ぼす気だったのかも。
■ストラト 天上世界。牢獄かもしれない、楽園かもしれない。
■エピタフ ストラトの人から見た天上世界。そして神聖なる地上のこと。王族が死体を打ち上げるのでお墓呼ばわり。
■バージムオン 多分敵。メガネウラの人か、アグリアスな人。ヤーン父説もあり。
■王葬 アグリアスが死んだときに行われる凄い葬式。高価な副葬品やらを賊の手から守るため、エピタフにむかってロケットで打ち上げる。アグリアスのカルス自体が一番のお宝なわけだけど。
■アグリアス 五氏族の長。ストラトを構成するカルスとリンクしているため、在位中のストラトの記憶を全てその身にダウンロードできるという。王葬はストラトの民の魂を故郷に送り届けるという意味もあるそーな。
■モルフォ エピタフを連想させる青い翅を持つ氏族。王様が蘇ったときにストラトにつれて帰ってくるという名目で、生きたまま一緒に埋葬される。
■ヴェイン パピリオの戦士。エピタフを目指した罪でつかまったが、すでに全身の9割カルスになっててしなないため、ながーい間封印されていた。災厄の竜とヤーンになにやら因縁が? 時代設定おかしいよ?
■リトルソニア モルフォのお姫様。エピタフで眠る母親に会いたくて王葬に志願した。エピタフへ行くことを恐れてはいないが、エピタフで自分を起こしてくれる者をさがしている。
■ソニア (クレイドルに限り登場)ストラトに君臨する五氏族の長が一人。
■マニファイソニア 多分全ての元凶な人。ストラトへの人類大移動に関係しているそうな。
■アノックス 首都の名前。常に太陽をおいかけているため、夜の無い島。アルス・アノックスで旧技術の総称。
■クロッカムサイクル 時計台鉄道。どんなものだかは私もよくわからない・・・空を伸びる地球一周鉄道?
■災厄の竜 おそろしいもの。ヴェインはこの存在を消滅させるために生きながらえている。
■炎の災厄 災厄の竜がエピタフを焼き払ったこと
■氷の災厄 災厄の竜の呪いで地上に光が届かなくなったこと。
■灰の災厄 最後に起こるといわれている災厄。
■ノックス アノックスが常に太陽をおいかけているため、反対に夜に追いやられた地域。(クレイドルに限り)エピタフの民も含めた嫌太陽主義者の総称。
■フィル ノックスの首領。
■ヤーン・アバター 発狂寸前になったヤーンが切り離した記憶の残骸。だと思う。
■grave 多分第一話の名前。
■cradle 多分最終話の名前。
──災厄の竜は解き放たれた。お前は選ばなければならない。
ストラト以前の1000年かストラト以後の1000年かを──
「我々を駆逐した者たちが築き上げる世界とは何ぞや? その答えを知るために我等は滅びに甘んじた」
──それは、他者のカルスを受け継ぐ『肉食のカルス』を持つもののさだめ──
「彼らは滅ぶに相応しい生命だったのか? その答えを出せるのは俺たちしかいない」
「見ろ──世界が脱皮する」
それは、一人の少年が背負うには余りにも大きすぎる運命──
記憶と戦いの物語 ─PTERANIA─THE CRADLE
【状況】
ヤーン:御馴染み主人公。本人はカルスを持たないが、他者のカルスを一時的に取り込める。
ヴェイン:パピリオ(アゲハ蝶)の男。災厄の竜と因縁があり、災厄の竜を滅ぼすために全身の9割をカルスと化した人間兵器。ヤーンの師であり、父の様な存在。
災厄の竜が目覚めてストラト半壊。ウイルスに冒される以前のストラトの情報を取り返すため、ヤーンとヴェインは「記憶の王のカルス」(と、ソニア)を求めてエピタフ(=地上)に向かう。クロッカムサイクルよりピナクルを昇り、限界層を突破したヴェインとヤーンが、逆転した重力にひっぱられてエピタフに落下するシーン。
轟音、風のなる音が耳を劈いた。
円盤状の塔の天辺にたつと、エピタフが、空と呼んでいたそれが確固とした存在感をもって真上にたたずんでいた。手を伸ばせば触れられそうな雲海の向こうに広がる青──そして陸地──
ここから飛び立てば、エピタフにいけるんだ──
超高度の風の冷たさも、自分に課せられた使命の重圧を忘れてしまうほど、壮大な光景だった。
腹の奥底から押し上げてくるような、興奮も、恐れも、ひどく懐かしい感覚のように思えた。
はじめて見る景色のはずなのに、
やっと答えにたどりつけたような気持ちがする──
「ヤーン──あそこに、行くぞ」
真っ直ぐ上を向いたまま、ヴェインは言った。
その横顔を見つめながらヤーンは自分の心がすくんでいたことに気づいた。
天を仰げば、雲と風が恐ろしい唸り声をあげて渦巻いている。
だが、その切れ間から覗く深く透き通った青が、一人の少女を思い起こさせた。
あの空は、見上げて憧れるものではない。自分は、そこにいかなければならないのだ。
ヤーンはヴェインの横に立って、はっきりとした声で言った。
「行こう、ソニアが待ってる」
二人は一度だけ頷くと、床面を思い切り蹴って飛び上がった。
気が遠くなるほど長い一瞬だった。
逆転した上下をおいかけるように、スローモーションで感覚がついてくる。
風圧で身体がおもうようにうごかず、まるで自分の時間だけがとまっていて、外の世界はそれをおいてけぼりにして凄い勢いで流れているようだ。
頭が下になったことに気づいて、あわてて顔を真っ直ぐに向けると、途端に全てが加速し始めた。
雲の海が容赦ない速度で迫ってくる。
我を忘れて叫びそうになったが、風が口の中に入り込んでか細いうめきになるだけだった。
刹那、足元からやってきたひときわ強い「黒い風」がヤーンを捉えた。
翅を大きく左右に展開し、カイトのような形状になったヴェインだ。
ヴェインは背中からヤーンの両脇を抱えると、二対のうち一対の翅が少年を包み込むように前方に折りたたまれ、形状を変える。
黒い弾丸が風のトンネルをまっすぐにおちてゆき、一条の軌跡を残して雲塊に突っ込んでいった。
「ごめん、ヴェインっ……」
「案ずるな、この風の海を渡すのは私の役目だ」
「うん……こんな……こんなときでも、ヴェインは怖くないんだね」
雷と氷のつぶてが周りを通り過ぎていく。
ヤーンはヴェインに守られているため被害は受けないが、
当の本人であるヴェインは、いつもとかわらぬひび割れた無表情で前方を見つめていた。
「……雲を抜ける前に落ち着いておけ。そこから先はお前が道(ルート)を決めるんだ」
「うん……」
「声が弱いな。寒いか、それとも速度がありすぎるか」
ヴェインの言うとおり、ヤーンは想像以上の悪環境に耐える事に必死だった。
カルスを体表面に集めて体温の低下を防いでいるとは言え、氷点下の冷気はそう耐えられるものではない。
しかしヴェインは、ヤーンのように痛みも寒さも感じていないのだ。
身体のほとんどをカルスに置き換えてしまったヴェインにとって、あらゆる刺激は情報としてしか認識されないのだという。温度の高低も、衝撃も、痛みも、すべて外界を分析するための情報として処理される。それは外的感覚にかぎらず、恐れや悲しみといった人間らしい感覚──感情も、もはや彼にとってはカルスに蓄積された「記憶」の中にしか存在しない。
──災厄の竜に燃やす激しい憎悪ですら、彼の中で最も強い記憶をリピートしているに過ぎないのだ。
「大丈夫、このまま行こう──」
たった今氷のつぶてで翅の一部が砕かれようとも、黒い鱗片を撒き散らしながら飛行する様がどれほど痛々しくても、ヴェインを心配するのは無為なことなのかもしれない。ヤーンを慮る言葉も、ヴェインのものなのか、ただの反射に過ぎないのか、ヤーンには見分けがつかないのだ。それでも──
「このまま」と言いながら、自身を支えるヴェインの一部をヤーンは無意識に握り締めていた。